個店主義が大原孝治の危機管理術である

400店舗を超える巨大小売店舗網を確立したドン・キホーテホールディングスが、大原孝治のもとで行っている個店主義に注目が集まっています。スケールメリットを得るためには、本社機能による一括仕入れ一括販売が業界の常識となっていますが、現在のドン・キホーテホールディングスではそういった手法は採用されていません。

あくまでも個店主義にこだわって、400店舗がそれぞれの立地ごとのニーズを汲み取って店舗づくりを行っていくというスタイルが、結果的には現在の成功へと繋がっています。このような大原孝治の経営手腕を評価する声は数多く聞かれ、様々な経営者を表彰する賞を獲得しています。

大原孝治はカリスマ創業者である安田隆夫の後継であるという意味で注目を集めました。おそらくこれまで通りのドンキホーテの店舗展開を続けていくのであろうとの周囲の期待を裏切り、大胆なビジネス戦略を断行しています。その中でも特に重要な決断こそが個店主義であり、その背景にある顧客最優先主義だと言えます。こうした以前から使い古されてきたような企業ポリシーを実際に現場に落とし込み、稼働させることの難しさは経営者であれば誰しもが感じるところです。安田隆夫から事業を継承して僅か数年の間に、企業としての文化を再構築して実際に機能する状態に出来たことは大変な偉業であると言えます。今後も引き続き、ドン・キホーテホールディングスの動向から目が離せません。